How to Use This Chapter
使い方 1
わからない言葉に出会ったとき、その場で意味を確認する辞書として使う。
使い方 2
関連する用語をたどって、知識のつながりを理解する。
使い方 3
仕事でAIの話題が出たときに、言葉を曖昧にせず会話できるようにする。
Knowledge Relationship Map
人工知能(AI:Artificial Intelligence)
人間が行うような認識、推論、予測、言語理解などの知的な作業を、コンピュータで実現しようとする技術の総称です。
つまずきやすい点
AIは1つの技術名ではなく、大きな傘のような概念です。機械学習や生成AIもこの中に含まれます。
仕事では?
顔認証、レコメンド、議事録要約、需要予測など、さまざまな形で実務に入り込んでいます。
機械学習(ML:Machine Learning)
人間が細かなルールを全部書くのではなく、データからコンピュータがパターンや規則性を学ぶ方法です。
AIとの違いは?
深層学習(ディープラーニング)
機械学習の一種で、人間の脳の神経回路を参考にしたニューラルネットワークを何層にも重ねて学習する方法です。
画像認識、音声認識、翻訳、生成AIなど、近年の高性能AIの中核になっています。
生成AI(Generative AI)
文章、画像、音声などを新しく作り出せるAIのことです。従来のAIが「分類・予測」に強かったのに対し、生成AIは「作る」ことができます。
例
会議メモから議事録を作る、商品紹介文を作る、ロゴ案を描く
注意点
便利ですが、もっともらしい間違いを出すこともあります。
大規模言語モデル(LLM)
膨大なテキストを学習し、自然な文章の続きを生成できるモデルです。ChatGPT のような対話AIの中核技術として広く知られています。
一言でたとえると?
トークン
AIが文章を処理するときの細かな単位です。単語そのものとは限らず、文字の一部や記号が1単位になることもあります。
「AIは文章をそのまま読んでいる」のではなく、トークンという単位に分けて数値として扱っています。
Transformer(トランスフォーマー)
現在の多くのLLMの土台になっているモデル構造です。文章中のどの言葉が、どの言葉と関係しているかを柔軟に捉えやすい点が強みです。
関連用語:アテンション
アテンションは、今扱っている言葉と他の言葉の関係を見ながら「どこに注目すべきか」を計算する仕組みです。
拡散モデル(Diffusion Model)
ノイズだらけの状態から少しずつ情報を整え、画像を作っていく方式です。近年の画像生成AIで広く使われています。
「砂嵐のような画像から少しずつ意味のある絵を浮かび上がらせる」とイメージすると理解しやすくなります。
ハルシネーション(Hallucination)
AIが、事実ではない内容をもっともらしく生成してしまう現象です。
なぜ起こる?
AIは「真偽」を完全理解しているのではなく、自然らしいパターンを作っているためです。
どう防ぐ?
固有名詞、数字、引用、契約、医療、法律は必ず人が確認します。
バイアス(Bias)
学習データに偏りがあることで、AIの判断にも偏りが出ることです。特定の人や条件で精度が落ちたり、不公平な結果を生んだりします。
採用、人事、審査、医療のように人に大きく影響する分野では特に注意が必要です。
ブラックボックス化
AIがなぜその答えを出したのかを、人間が完全には説明しにくい状態を指します。
問題はAIの複雑さそのものだけでなく、人間が「よく分からないけれど正しそう」と過信してしまうことです。
プロンプト(Prompt)
AIへの指示文や質問文のことです。何を、どの条件で、どの形式で出してほしいかを伝える文章です。
良いプロンプトのコツ
RAG(検索拡張生成)
AIが答えを作る前に、外部の資料や社内文書を検索して、その内容を踏まえて回答する仕組みです。
社内ナレッジやマニュアルを活かしたいときに重要です。AI単体よりも、事実に寄せた回答をしやすくなります。
AIエージェント
質問に答えるだけでなく、手順を考えたり、複数の処理を順番に進めたりする、実行寄りのAIの考え方です。
「答えるAI」から「動くAI」への進化として語られることが増えています。
Human-in-the-loop
AIの処理の途中や最後に、人間が確認・判断・承認に関わる考え方です。
AIを安全に使ううえでの基本原則で、「AIに任せても、人を外さない」ことを意味します。