スタートアップ体験ゲーム『おいスタ~スモールビジネス編』(インターン記事)

スタートアップ体験ゲーム『おいスタ~スモールビジネス編』(インターン記事)

はじめに

はじめまして!

株式会社ライクブルーのインターンメンバー、福岡大学4年のちはるです!

突然ですが

みなさんは「起業」や「スタートアップ」という言葉にどんなイメージをもっていますか?

近年テレビなどで耳にすることが増え、「気になる」という人も増えてきたのではないでしょうか。

中には、実際に起業を考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、やりたいことがあっても、気軽に実行に移せるものではないですよね。

しかし実は、この「起業」というチャレンジから、実際の「経営」までの流れを擬似体験できるゲームがあるんです。

今日はそのゲームについてご紹介していきます!

記事執筆 ちはる(インターン3年目)
  • 趣味 
    線香
  • インターンに入ったきっかけ
    先生の紹介
  • あなたにとってインターンは?
    案外たのしいよ
  • 最後にひとこと
    ガチャガチャが好きです

起業(スタートアップ)体験ゲーム『おいでよスタートアップ村~スモールビジネス編』

起業体験ゲーム『おいでよスタートアップ村(通称おいスタ)~スモールビジネス編』は、1〜4人用の「起業(スタートアップ)×経営」をテーマにしたボードゲームです。

簡単にゲームの内容についてご紹介します。

ゲーム内容

<概要>
プレー時間:約60分〜
人数:1人〜4人
形式:オンライン(ブラウザ利用・ソフトウェアインストール不要)

<遊び方>
・『おいスタ』は「起業フェーズ」と「経営フェーズ」の2段階で構成されます。
・ゲーム本番は「経営フェーズ」であり、「起業フェーズ」は、その準備などを行うフェーズです。
・「起業フェーズ」では起業したい業種を選び、資金調達や人材採用を行います。
・「経営フェーズ」は1ヶ月=1ターンのターン制です。
・ゲームボード上には、マネーやファイナンス、売上、人脈、ハッピー/トラブルなど「起業×経営」に要素を表す複数の種類のカードが積まれています。
・プレイヤーは毎ターン、山札から決められた枚数のカードを引きます。
・引いたカードを使ったり、カードの効果を得たり、プレーヤー同士で交渉しながら、ターンを進めていきます。

(桃太郎が出てくる名作ゲームのイメージが近いかもしれません)

<ゲームのゴール>
・「起業×経営」において重要な「経営者ハッピー度」・「社会貢献度」・「経営力」の3つの「経営に関するパラメータ」をより多く獲得することです。
・引いたカードによってパラメータが変動します。
・全てのターンを消化した時点での、その合計点によって勝敗を決めます。
・途中で資金が底をついてしまうと、そのプレイヤーはゲームオーバーとなります(倒産)

<ポイント>
ここでポイントとなるのが「スタートアップの成功を示す指標はひとつではないこと」です。
もちろん、総合点でシンプルに勝敗をつけてもいいですが、「自分のハッピー度が全て!」「いや、社会貢献が大事だ」「経営力が基本でしょう!」というように、勝ち負けの基準を議論して決めていくという楽しみ方もあります。

<ゲーム画面> ※ β版
【起業フェーズ】

<経営フェーズのキャプチャー>


「おいスタの制作過程も、まさにスタートアップだった」

『おいスタ』の制作・開発を行ったのは弊社代表の池田とその仲間の方たちで構成された制作委員会です。

したがって、『おいスタ』は、実際にスタートアップを経験した会社経営者が制作したゲームになります。

本記事の執筆に際して、ちはるがインタビューをしてみました。

話し手 ライクブルー代表・池田治彦
  • 趣味 
    読書、ゲーム、子どもと遊ぶこと、ジム
  • 起業のきっかけ
    10年前、「サラリーマンはもうやらない」と決めたこと
  • あなたにとっての経営とは
    ・創造の連続
  • ゲームの思い出
    とても小さい頃、兄がドラクエ3でバラモスを倒した瞬間、僕が喜んでジャンプしたら着地の衝撃でファミコンが止まり、めちゃくちゃ怒られたこと(ぼうけんのしょがどうなったかはおぼえてない)
    名作「タクティクスオウガ」で死者の塔をクリアして写真をメーカーに送ったら、ガラス製のカボチャが送られてきたこと

Q.なぜ『おいスタ』をつくろうと思ったのですか?

池田:これまでスタートアップ(起業)の相談をたくさん受けてきた中で「結局、一線を超える経験をするしかない」と思っていました。しかし、みんな起業すると失うものがあったり、漠然とした不安や自信のなさを抱えていて踏み切れない。そんな事情もよく理解できました。

ならば「擬似体験だけでも出来ればいいのでは?」と考えました。国もスタートアップを後押ししてユニコーン企業を増やしたいと思っているようですが、そのきっかけづくりや学習の場はまだまだ少ないので、「自分の経験が、悩んでいる人の役に立てば」という気持ちがありました。

それで、擬似体験を通じて起業に対するハードルを感じてもらい、超えられる、超えられないを判断できる材料にしてほしい。

そんなとき、友人から「大学生にスタートアップを教える機会をつくれないか」と相談を受けて、二人で話し合って、それなら学習効果の高いゲーム形式がいいのでは、と。

幼い頃からやっていたゲームは良い材料になる。僕にとって起業と経営は日常だけれども、ほとんど多くの人にとっては「非日常」で、それをゲームとして楽しめるならもう最高なんじゃないかと。ゲームは今までやるばかりでつくったことなんてなかったけれども、他にやっている人がいないのなら友人と一緒にやってみようと決意しました。

Q.『おいスタ』の制作で、特に印象に残っていることは何ですか?

池田:『おいスタ』を制作することを決めて、仲間を集めていったときの話です。周りのゲーム好きに声をかけていったのですが、「ゲーム作ってるんだけど」と言うと、なぜかみんな進んで協力してくれて、新しい人ともつながっていったことがとても印象的でした。なんかドラクエみたいだな、と。

そうやって集まった仲間とアイデアを持ち寄り、その対話を通じて『おいスタ』は形になっていきました。自分一人だけでは決して完成できなかったと思います。

Q.勝敗のルールが特徴的ですが、これはどういった経緯で決まったのでしょうか?

池田:このゲームの勝敗は「ハッピー度」・「社会貢献度」・「経営力」で決まりますが、開発当時は「資金力(経営力)」のみが勝敗の指標でした。

実際このルールでテストプレーをしたところ「え、結局お金のためなん…?」と、途方もないむなしさを感じてしまったため、さまざまな評価軸を設けるに至りました。

その結果、経営者の幸せ(=ハッピー度)社会貢献(=社会貢献度)という要素が登場し、勝敗の指標に加わりました。

このことから、「なぜ起業するのか」「経営にとって何が本質的に大切か」を自分自身すごく考えましたね。

Q.一人で遊んでもかなり勉強になることに私は驚いたのですが、これは当初から予定されていたのですか?

池田:いえ、当初は予定していませんでしたね。2人以上でのプレーを想定して、そのまま完成させる予定でした。

それで、当初の相談にあったとおり、都内の大学の特別講義で『おいスタ』を取り上げてもらって実際に30名くらいにプレーしてもらいました。

ひととおり説明してからオンラインでグループ分けをして、各部屋のプレー状況をのぞいてみると、全員がカメラオフ&ミュートの状態でもくもくとプレーしていて、1人でもできることに気づかされました。

なので、友達とワイワイ遊ぶ前に、1人で練習を積んでおくのもありですね。何人でも何度でも、起業を体験できることがこのゲームの強みですし、おもしろさだと思います。

Q.タイトル名はどのように考えたのですか?

Nintendo Switchの『あつまれ どうぶつの森』が流行っていて、自分でも遊んでみてとてもおもしろいなと思いました。

それで、尊敬も込めたオマージュじゃないですけど「ようこそ スタートアップ村」とか「行こうよ スタートアップ村」とか考えていました。それで、最後は行動をうながすような「おいでよ」に決めました。

信じてもらえるかわかりませんが「あつもり」の前作があったことを知らなくて、しかもタイトルが『おいでよ どうぶつの森』(2005年、3DS)だったことをつい最近になって知って…でも、もう色々動き出した後だったし、懸念もクリアできたのでこのまま行くことにしました。ビジネス用の展開では名前は変えるかもしれません。

・・・というように『おいスタ』制作そのものにかなりの紆余曲折があり「まさにスタートアップのようなゲーム制作でした」とのことでした。

『おいスタ」で実現したかったのは「リアルとエンターテインメントの交差点」だそうです

特別講義でプレーした学生の感想

ここで、インタビューで触れられていた都内の大学生が実際にプレーした際の感想を一部ご紹介します。

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Aさん
今まで、起業は多額のお金を借りて全て自分の責任で行う、とても勇気のいる挑戦で自分には無縁のことだと思っていました。ゲームを通して改めて起業をする人はすごいなと思ったと同時に、スタートアップ支援や起業をする上で考えなくてはならないことなど、知らなかったことを沢山知ることができて、起業に少しだけ興味を持ちました。
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Bさん
今日のゲームを通して、起業をすることの難しさを知ることができました。将来実際に起業する際に伴うリスクについてより真剣に考えることができたのかなと。初めはゲームの仕組みが難しく感じましたが、自分でしっかりと考えながら行うことができ、とても勉強になりました。
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Cさん
細かい部分ですが、ゲーム内でカードをめくったときに音が出るのがよかったです。めくった感じがあって。あとは、カラフルな盤面も見やすくて良かったです。
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Dさん
最初はゲームの仕組みがよくわかっていませんでしたが、やっていくうちにだんだんと理解できるようになり、起業の難しさを改めて感じました。ゲームでも上手くいかなかった私は起業には向いていないと痛感しました。
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Eさん
ゲーム感覚で遊びながら、融資を受けるシステムを使ってみたり、起業に関して様々な出来事が起きたりと、実際の起業について少し学ぶことが出来たと思います。
「起業×経営」の体系化により全体像を理解できることもゲームのおもしろさです

初見プレーしてみた

さて、これは私も一度プレーしてみなくては! 友達2人(同じインターンメンバー)を誘って遊んでみました。

以下、簡単ではありますが、その感想をまとめます!

<面白かったところ>

初見プレーだと、経営フェーズから感情の起伏が出てきて、ゲームがどんどん面白くなりました!(「儲かって嬉しい」「損して悲しい」など)

経営フェーズは、1ターンの中で起きる出来事が多く、プレイヤーの行動の選択肢も多いです。

なので、ゲーム展開の幅もターンが進むごとに広くなり、プレイヤーごとの起業体験に、どんどん違いが生まれていきます。

運要素も強く、毎ターン新鮮な気持ちでプレーできて、起業体験の差分に盛り上がるところが、今回おもしろいと感じた一番のポイントでした!

<難しかったところ>

ゲーム説明の資料がGoogleスライドにまとめられているのですが、私たちはモニターをもっていなかったため、ゲーム画面とスライドのタブをいったりきたりする必要がありました。おいスタは起業体験ゲームのため、ルールが多いことに少々手間取ってしまいました。

ゲーム終了後には「これ実物のカードで、対面でやってみたいね!」という話になりました。

<総評>

当たり前なのですが「経営ありきの起業」ということがよくわかって、

「もう一回起業したい!」という気持ちになりました。

学びとコミュニケーションを兼ねた、とても面白いゲームだなと思いました。

そして実は、3人のうち1人は、準備段階である起業フェーズでギブアップしてしまいました。??

経営フェーズになるとゲームらしい展開が次々に進んでいくのですが、準備段階である起業フェーズでは覚えることも多く、人によっては忍耐力が試される部分もあるのかもしれません。

そうしたところも含めて「実際の起業に忠実」なところがこのゲーム最大のポイントですね!

今後の展開

今後の展開として、まずはいろいろな方に体験してもらいたいので、少しずつ広げる活動をされていくそうです。経営者目線の理解や起業経営の体験を目的とした、企業での研修ツールとしても考えられています。

また、『おいスタ』のアナログ版が企画されています。

クラウドファンディングで商品化を行い、一般の人が遊べる形を目指しているとのことです。

また、今回のおいスタは「スモールビジネス編」ということもあり、「まずはつぶれないための経営」という面が強く、スケールアップやイグジットを狙うような人にはもの足りなく感じるかもしれません。

ただ、経営を安定させることがいかに難しいか、この状態からスケールアップをするにはどうしたらよいのかに気づくことも重要で、名だたる大企業も最初はガレージ起業などのスモールビジネスから始まったことを思い出してほしい、というのが社長の思いでもあるようです。

ただ、次回作として、新たな事業を立ち上げて上場したり、事業売却したり、上場したり、世界で唯一無二のユニコーン企業を目指したりするなど、「いわゆるスタートアップ色」の強い『おいスタ2』をぜひつくりたい!、とのことでした。

今後の活動にご期待ください!

(了)