当社が開発した「ビールゲーム・オンライン」が、北海商科大学・相浦宜徳教授「物流システム論II」で採用されました。
(ビールゲーム開発に関する記事はこちら↓↓)
北海商科大学(北海道札幌市)では、サッポロビールをはじめ様々な工場・物流拠点が近隣に構えられていることもあり、物流や流通についての学習が盛んです。
相浦先生はその利点を生かし、講義の中で「ビールゲーム」を活用してサプライチェーンマネジメントを学ぶ取り組みを長くされていらっしゃいましたが、コロナ禍での講義のあり方に対策と工夫を必要とされ、当社にご相談を寄せられました。
当社からはゲームシステムの詳細をオンラインでご説明後、システム利用について数度のやり取りを重ね、相浦先生に講義で実施していただきました。
その効果は、運営側・学生側の両方に対して大きなものであったと、先生のレポートから感じることができ、ささやかながら社会貢献ができたことを非常に喜ばしく感じております。
相浦先生ならびに受講された学生の皆様には、当社開発の「ビールゲーム・オンライン」を存分にご活用くださり、心より感謝申し上げます。
以下、相浦先生から頂戴したレポートの全文を、許可のもとに掲載いたします。
講義の特徴
本学では3年生前期に物流システム論2を開講し、主に物流管理手法やSCMについて学習します。講義は、大まかに、在庫管理、需要予測などの管理手法の学習、サプライチェーンの概要の学習、実務者の皆様による講義を通したサプライチェーンのマネジメント事例の学習と理解の深化、というように展開します。
ボード型『ビールゲーム』の活用
この講義では、10年ほど前から、在庫管理や需要予測の重要性、サプライチェーン管理の必要性を学生に認識してもらうことを目途に、講義の初回から数回にわたり、ビールゲームを活用していました。
A3用紙16枚に分割印刷してテープで張り合わせた手製の巨大ボード、アマゾンで購入したルーレットのチップ(ビールのケース、トークン)、百均ショップで購入した付箋(発注伝票)を用い、3~4チームが一斉に競い合い、学んでいました。
質問やトークンの操作ミスがあるたびに、学生の間を駆けずり回っての大変な時間でしたが、学習効果も大きく、学生からの評判も良く、汗水を垂らしながらも楽しく行っていました。まさに、キラー・コンテンツでした。
池田社長との出会い、オンライン版『ビールゲーム』との出会い
ところが、昨年度は新型コロナウィルスの影響でビールゲームが実施できず、盛り上がりに欠けた講義となってしまいました。
今年度(2021年度)はどうにかしなくてはならないと思い、頭を抱えていた時に、池田社長のブログ上に「オンライン版『ビールゲーム』を開発しました」の文字を見つけ、不躾にもメールでコンタクトをとらせていただきました。
数日後に社長から同ゲームについて説明をしていただいたときの、「こんなことを実現してくださる企業があるんだ」という感激は忘れません。
ネットワーク型『ビールゲーム』の活用
その後、講義内で、株式会社ライクブルーで開発されたオンライン版『ビールゲーム』を使用させていただきました。ボード版『ビールゲーム』と比較して、オンライン版『ビールゲーム』にはいくつもの利点があります。
講義の運営上の利点
講義の運営上の利点としては
①ボード版では例年2時間ほど要していたトークンの移動手順や発注伝票の処理手順の説明が不要となった点
②トラブルの内容や手順に関する質問の状況が、管理端末上で把握でき、即座に指示が出せる点(体力的にも楽でした)
③ゲーム結果のグラフが自動で作成される点 などがあげられます。
①~③により大幅な時間短縮がなされ、その時間を学生たちの分析、プレゼン、議論に充てることができました。
加えて、
④新型コロナウィルスの感染リスクを苦慮することなく学生・教員共々安心して実施できた点もあげられます。
教育上の利点
ボード版では各パート(小売、二次卸、一次卸、工場)の在庫や、各パート間の輸送状況が、(一望のもと)互いに把握できてしまっていました。それらが、完全にプレイヤーから隠され、より現実に即している状況(サプライチェーンが構築される前の部門ごとに部分最適を目指している状況)が再現されていました。
学生の反応とその後の講義への影響
コロナ過において、対面授業へ参加することに不安を感じ、対面授業のオンライン聴講(教室での対面授業にZoomで参加する方法)を選択する学生が増えています。
そのような中、ビールゲームに参加した学生達は毎週意気揚々と通学し、(ゲーム枠内での)発注量の決め方から始まり、現実社会への適用などについても、熱心に議論をしていました。アクティブ・ラーニングを導入しにくい環境下おいて、非常にありがたいことでした。
ビールゲームが終了して、2週間がたちますが、例年以上に学生たちの学習意欲は高く、最終課題に取り組んでいます。
最後になりますが、良いご縁、良い機会を与えてくださり、ありがとうございました。感謝申し上げます。
(以上)